「脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)とは」②

脳梗塞編

皆さんこんにちは、脳梗塞リハビリ院作業療法士の山本です。

今日は脳卒中の中でも、脳梗塞について解説していきます。

脳梗塞とは

脳卒中とは大きく①脳の血管が詰まる脳梗塞、②脳の中の血管が破れて血が出る脳出血③頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも膜下出血の3つに分類されます。今回は脳卒中の中の「脳梗塞」についてお話しさせていただきます。

脳梗塞とは脳の血管が詰まったことによって、脳への血流が途絶え、その結果脳の神経細胞が死んでしまう病気です。なぜ脳の神経細胞が死んでしまうのかというと、脳には何本かの血管があり、その血管から神経細胞に対して酸素の配給を行っています。つまりこの酸素の配給が行えないことが脳梗塞の最も重要な問題となってきます。

脳梗塞の分類について

脳梗塞は臨床病型による分類では「アテローム血栓性脳梗塞」、「心原性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」、「その他」に分けられ、発生機序による分類では「血栓性」、「塞栓性」、「血行力学性」に分けられます。

そして部位による分類では「内頸動脈」、「中大脳動脈」、「前大脳動脈」、「椎骨脳底動脈系」という形で分類され、部位ごとに脳が持つ機能も異なるため、同じ脳梗塞でもどの血管が詰まったかによってでてくる症状は非常に多岐に渡ります。

実際に、入院中のご家族様や本人には、「脳梗塞」と伝えられる場合があります。リハビリをする上で、重要になってくるのは、これらの分類情報は、「治療の選択」、「発症直後のリスク管理」、「再発予防」、「症状の推察」に使われる有益な情報になります。

脳梗塞は何故起こる?

一般的に脳梗塞を発症しやすいケースの方は、中高年で動脈硬化の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、大量飲酒)をもっている場合や、心疾患(非弁膜症性心房細動、不整脈など)を患っている場合が非常に多いです。そして、高齢者で高血圧と医者に言われているような方は発症する割合が高くなっています。

脳梗塞になると、詰まってしまう血管によって症状が異なりますが、片麻痺、感覚障害、構音障害、失語、失認や意識障害などがみられます。

脳梗塞の治療方法とは

脳梗塞の治療方法は、発症直後であれば、有名なものとして血栓溶解療法(tPA、ウロキナーゼ局注)がありますが、脳梗塞になってからの時間などの適応があるので、全員が行われるわけではありません。

脳梗塞が重症である場合は、脳が腫れ(脳浮腫)などによって、頭蓋内圧亢進(頭の中の圧力が上がり)となり、症状が増悪し、生命が危険な状態になった場合は、頭蓋骨を広範囲には頭蓋内圧を下げる「開頭外減圧法」を行うこともありますが、基本的には点滴治療により血をさらさらにしたり、血が固まりにくくする保存療法が選択される場合が多いです。